中心のある家(阿部勤自邸)見学


2014.10.19に、建築家の阿部勤さんの自邸「中心のある家」を見学させていただきました。area045メンバーの参加者が8名。メンバーのスタッフが3名。ゲスト建築家が2名。計13名が参加しました。阿部さんのご好意で、見学だけでなくお庭でバーベキュー体験もさせていただけるということで、大量のお酒と食材を買い込みお昼過ぎに訪問いたしました。

「中心のある家」は様々なメディアに取り上げられているので、間取りや仕上げ等の建築的な紹介はそちらを参照いただくとして、当日の様子と感想をお伝えしたいと思います。 言い出しっぺの私と、日本大学芸術学部で阿部氏に教えを受けたことのある当社のスタッフが訪問したとき、阿部さんは外出中でした。連絡ミスかと思いつつも、鬱蒼と茂る緑の中に、たたずむシンプルな箱のような家を眺めていました。住宅地の角地にあるRC造打放し仕上げの住宅なのですが、なんとも言えない柔らかさを感じました。庭の植栽によるものか、玄関から直接庭に行けるクランクしたアプローチによるものか、20年以上の歳月によるものか、とにかく完成したてのRC打放し建築にはない雰囲気を感じました。

その後、阿部氏が道のかなたから登場し、家の中を案内いただきました。箱の中に箱が挿入されたシンプルな空間構成で、建具がほとんどありません。大小二つの吹抜けと、中心の箱が、見え隠れをつくるので、自分のお気に入りの場所を選択できるようです。一人暮らしの男が生活することを考えると、これほど心地よい空間はないとおもいました。しかし阿部さんはここで、お子さんを育てたはず。3人で暮らしたいたときの様子を伺うと、角がどれかしらの居場所になるそうで、お互いが疎ましく感じたときは、1階と2階の角に離れて居場所をつくっていたとのこと。固定席を持たない最近のワークスペースの考え方に近いと思いました。しかし、考えてみれば、日本での個室化が一般化したのは戦後からですから、完全に閉じこもらない住まいのほうが、日本人の感性にあっているのかもしれません。

参加者が全員そろったところで、阿部さんを中心に乾杯し、バーベキュー付きの飲み会に突入。前述したように、好きな居場所をそれぞれ選べるので、全員が心地よい場所を見つけてくつろいでいるようでした。中心のある家といえば、ペニンシェラキッチンでも有名です。キャスター椅子で移動しながら、調理から食事、そして洗い物までを流れるように作業ができます。一人ですと持て余してしまいそうですが、忙しい主婦(主夫?)が効率的な作業をするにはとてもよく考えられていると思いました。お酒がここにあったこともありますが、ここも人気の場所でした。

12時からスタートしたこの会は、18時過ぎまで続きました。空間の気持ちよさも当然ありましたが、阿部さんの人柄が参加者の腰をいつも以上に重くしたのは確実です。「中心のある家」堪能いたしました。(アーバン・ファクトリー/藤江創)

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