美術館バックヤードツアー

ここ数年、横浜近郊の美術館バックヤードツアーを企画する委員をやっています。バックヤードツアーとは、設計関係者・学芸員さんを招いて苦労話や内緒のポイントなども交えた解説をして頂きながら、美術館建築の津々浦々を観る企画。しかし一般客に交じってのツアーなので周囲からは、天井を見上げたり、床に這いつくばったり、立入り禁止の札も無視して進む異様な集団にしか見えていないかも(笑)

今まで開催したのは根津美術館、五島美術館、原美術館、神奈川県立近代美術館、横須賀美術館などなど。

そして先月のみぞれ混じりの凍える日、東京都庭園美術館のバックヤードツアーを無事に終えました。リニューアルオープンしたばかりで人気鰻上りの庭園美術館は、アール・デコ様式の粋を詰め込んだ皇族邸宅、その後、首相公邸→国賓迎賓館→美術館と波瀾万丈に用途を替えた建築。見学して判ったのは、はっきり言ってお金の掛け方が違う。決して成金ではなく、正しい贅沢美!ため息の連続。洋館の中でも材や納まりが別格に凝っていて、横浜山手の洋館は庶民邸なんだなぁ~と思わせます。建築に携わった人たちの情熱も時間の掛け方ももの凄く、とても目の保養になりました。

リニューアル工事では、様々な法律の高い壁に泣かされ、工事中も、ちょっとでも規定違反ぽい施工雰囲気を漂わせると、どこからともなく役人が跳んで来て怒られたと設計者の話・・・見張りがいつも潜んでたの??新築した管理棟では照明計画が目を惹き、聞くと、ここでも大変苦労したそうで。やっぱり生の話は楽しいです。

美術館バックヤードツアー、次回は上野の西洋美術館でコルビジェ展に合わせての開催予定です。秋頃かな~。残念ながら建築士会会員向け企画なので、どなたでも~とは言えないのが辛いところなのですが、たくさんの方の参加をお待ちしてます。(いつも地味に開催中なので。)

(鈴木洋子)

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