緊張する視力検査

毎年恒例の健康診断に行ってきました。 胸のレントゲンをとり、血圧を計り、聴覚のチェックと、いろいろやりますが私が最も緊張するのは視力検査。

健康的な心配事とは特段関係なさそうな視力検査になぜ緊張するのか?

実はちょっとしたトラウマがあるからなんです。

今でこそ建築家として仕事をしていますが、高校生の頃は戦闘機のパイロットになりたいと思い、防衛大学校に入学した私。防衛大学校の受験でも視力検査でも1.5程度でした。ところが、運命が?いたずらをしたのか、防衛大学校に入学してから突如視力が低下したのです。それに最初に気がついたのは、ふと夜空を見た時でした。月がぼやけて見えたのです。小さい頃からずっと視力の良かった私にとって、あり得ない月の見え方でした。もしかして、視力落ちてる?と不安を覚えつつ、きっとちょっと疲れているだけですぐに元に戻るだろうと思いつつ急遽、自衛隊総合病院に行き視力検査をしました。すると、視力は0.6に低下していたのです。裸眼で両目0.8以上あることが戦闘機パイロットの最低条件、とりあえずあと0.2足りない。パイロット適正検査(略して「P適」)まであと1ヶ月に迫っていました。それから「P適」までの残された時間のなかで視力回復を目指して病院でもらった目薬を差し、目が良くなる食べ物を摂取し、できるだけ遠くを眺めるなどの努力をしつつ、定期的に眼科に通い視力検査をするも、一向に上がらない私の視力。そして運命の「P適」での視力検査の日。結果は0.8と0.6。裸眼視力で0.8が最低基準、手術は認められない規定のため、これにて戦闘機のパイロットへの進路が断たれたのでした。当時何度も受けた視力検査でとても緊張をしたことがトラウマで、今でも視力検査となると緊張するのです。体が覚えているのですね。かわいそうな19歳の私は、夢を一度あきらめ防衛大学校を退校し、建築家になるという新たな夢を見つけ再スタートを切ったわけです。しかし今でもパイロットへの憧れはあり、LOVE HOUSEでサンスイのスピーカーで飛行機の音を爆音で聞いたり(時々ですよ)、TOP GUNの映画を今でも見たりします。

さて、今年の視力検査の話にもどります。緊張して受けた視力検査。

「1番は?」『右」「2番は?「上」・・「10番は?」「下」

あれ?何で?、、何か、すごい見える!おかしいなあ・・結果は何とあろうことか、1.0と1.2・・・・。

お医者さん「視力が上がってるねえ・・コンタクトしてます?」

私「してないです。何ででしょう。やたら見えるんです」

お医者さん「こういう事もあるんだねえ」

家に帰ってメグちゃんに報告すると、メグちゃん爆笑。

「今なら戦闘機のパイロットになれるよ」なんて言ってみちゃったりして、

ちょっと複雑な気持ちになったのでした。

(保坂猛)

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