PentelのGRAPH1000 FOR PRO 0.5

こだわりの一品という枠組みはなくなったのですが、前回のコラムで予告してしまったので、学生時代から使い続けているシャープペンシルのことを紹介します。出会ったのはもう少し前だったかもしれませんが、意識したのは大学に入学したときなので、1991年です。そのときは、パソコンも発展途上だったので、CADを利用している人はほとんどいませんでした。製図の授業は当然手描きということになります。そこではホルダーというぶっとい替え芯を内蔵できる筆記用具が推奨されました。僕はこれに馴染めず、父のペン立てに無造作に刺さっていた製図用のシャープペンシルを使い始めました。それがPentelのGRAPH1000 FOR PRO 0.5(この後からGRAPHと書きます)でした。製図をされる方ですと、ご存知かも知れませんが、シルエットが似たシャープペンシルに、ステッドラー製のアルミのものがあります。シルバーで見るからにクール。見た目はそちらのほうがかっこよかったので、手に取ったことがあります。しかし、手に汗をかくくらい切羽詰っているときは滑ってしまうし、逆に気が抜けているときは冷たく感じます。GRAPHのグリップには、ドット状にラバー素材が使用されていて、手に吸い付くような感じがあり、それがどんな状況の自分も受けとめてくれるようです。使っているうちに、これでないとうまく図面がかけないと思うようにまでなりました。設計事務所への就職後、使っていたGRAPHをペン先から床に落としてしまい、芯を出そうとするとポキポキ折れてしまうので、新品を購入することにしました。そこでびっくり。1000円もするんですね。その後、自宅に戻るたびに、無造作にペン立てに刺さっているGRAPHを失敬するようになりました。でも、不思議なもので、それ以来床に落とすこともなく、結局自分で購入したものを15年以上使い続けています。

(藤江創)

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