ふるさと村のギャラリー
青葉区は横浜市の北部ですが、「寺家ふるさと村」は最北部でそのエリアは横浜のモダンなイメージとは違い、長閑な田園風景が残っています。
自宅からは車で15分程度のところなので、以前は四季折々にふらっと家族で訪れていましたが、子供達の成長とともに足も遠のいていました。
それとは別の話になりますが、このエリアはノスタルジックな風景だけでなく、アート、陶芸、版画、木工、ギャラリーなど芸術、工芸方面の作家の工房や住まいなども点在しています。
偶然なのですが、2年ほど前に展覧会の会場構成のデザインをした際、企画の方の仕事場が里山を少し上ったところのこの一角にあり、打合せに訪れました。
不便な場所にオフィスがあるとは思ったのですが、その方の御主人がアーティストで建築的な彫刻、オブジェを作っている方。そのオフィスを兼ねたギャラリーとなっていて、その隣に工房がありました。
元々は何の変哲も無い、およそ風情があるとは思えないバーベキュー店のラスティックな建物。 しかし、その建築的恣意とはかけ離れたマイナーな空間が、逆説的にみると自由な創造性を誘うのかもしれません。
手間以外の費用をあまりかけたとは思えませんが、一歩中に入るとかなり前衛的な空間に変貌していました。
廻りは林の中、うっそうとした木立に囲まれ、よりその感は増幅し、作品である建築的な立体芸術とのコラボレーションとともに、異化された世界が広がっていました。
現在、彫刻もオブジェとなれば、インスタレーションとして空間を作る方向へと回帰し、その意味では建築と彫刻との領域の違いは無いともいえるでしょう。
大きな違いといえば、現実の機能としての生活の利便性を目的とするかどうかぐらいかもしれません。
何だか、ふるさと村から話が脱線してしまいました。
これは今回の主題ではないので、このへんで終えることにします。
(豊田 悟)
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