ヴォイド
私の母校のキャンパス計画は都市計画家でもあった故河合正一先生が手がけられました。校舎が建ち並ぶ中央にぽかんと不思議に窪んだ空地があります。キャンパスの中心にシンボルをつくらずあえてヴォイドにした、というお話を印象深く覚えています。
先日、洗足池のボートに乗りました。池の真ん中で中原街道に背を向けながら都市のヴォイドにフワフワと浮かぶ浮遊感はなかなか気持ちの良いものでした。都心の建物では、大概敷地が小さくて高密な計画にならざるを得ないけれど、だからこそあえてヴォイド-余白-をつくる意味があるのだと思います。
(菱谷和子)
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