直島への旅2006

先日直島に行った。3度目の直島行きの目的は、「地中美術館」(安藤忠雄)と「海の駅なおしま」(SANAA)のふたつの新しい建築作品と、「スタンダード展2」を見ることだ。「スタンダード展」は5年前第一回目が開催され、島の自然環境や集落のなかに作品が設営された。場と作品の関係を体で感じ濃密な体験をしたので、今年も行きたいと思った。今回も美しい風景やいい味を出してる建物に仕掛けられた作品を、ひとつひとつ見て回って楽しんだ。

朝早く島に到着して車を走らせかけたとき、前方からこちらに向かって歩いてくる外国人がひとり。なんと偶然にも、そのひとは大学時代の知り合いだった。イスラエル人の彼は日本建築史を学ぶため留学、帰国してからは設計事務所を開設、精力的に仕事をしている。エルサレムの行政関係者たちと視察で一週間前来日したが、フリータイムに一行から別れて岡山から直島に渡ったという。私たちふたりは、四国の知人と高松で合流してから直島に渡った。ローカルな小さな島での偶然の出会いは、それだけここに内外から「同業者」が訪れるという証になると思う。しかし、アート系の人々だけが来るのではなさそうだ。近県の老人会がバス日帰り旅行で作品めぐりをするなど、一般の人にも直島の認知度が上がっていると聞く。

ともあれ彼と私たちは、幸福な数時間を共にした。

地中美術館の「モネの睡蓮」の部屋に入ったとき、彼は「これは間違ってる」と言った。「白い壁と作品の対比が強すぎる、壁の明度を落とすべきだ。」

実は私自身も部屋に入ったとき「絵が暗いな」と感じた。間接的に上部から入る自然光だけで睡蓮を見る場であり、同時にうつろう光を感じる場でもあるなど、設計の意図を推し量ろうとしたが、やっぱり違和感が残ってしまった。

数日後、ライティングデザイナーの面出薫さんに会ったので、この話をしてみた。そこで話されたのは「白い壁と作品の面積バランス」に課題があるのではないかということだ。天井があまり高くなかったら違ったかもしれない。

この場を見た方の感想をお聞かせ下さい。

(高橋晶子)

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